
目次
1.この記事の概要
不動産を売却しようと考えたときに、不動産査定はその第一歩としてとても重要です。査定を行うことで、物件が市場でどれほどの価値を持つかを明確にすることができます。ほとんどの場合、このプロセスを経て売主は適切な売り出し価格を設定し、より計画的な売却活動が行うことになるでしょう。そして多くの場合専門の不動産会社のサポートを受けることにより、査定が正確かつ効率的に行われるので、できれば多くの人がこのステップを経ることをお勧めします。
さて、得られる査定価格は売却戦略を練るための重要な基礎となります。この価格情報は物件の競争力を高め、市場での位置づけを明確にする手助けともなります。しかし、査定価格が不動産会社により異なるため売主はその根拠としてのデータや市場動向をしっかりと把握し、自らの判断基準を持つことが求められます。
多くの不動産会社では査定を無料で提供しているため、情報収集の初期段階として非常に有用です。この無料査定を利用することで、複数の不動産会社から様々な価格査定を得られ、情報の幅を広げ、比較検討が容易になります。また、査定を複数社に依頼することで、より信頼性の高い市場価値を把握することが可能となります。この記事では、そんな不動産を売却する時の査定依頼の流れと注意点を、楽府株式会社の宅地建物取引士が実体験を交えて解説します。

ふむふむ、査定が必要なのはわかったけど、その進む前に知っておきたいことってあるよね。一緒に勉強してみよう。
2.不動産査定の重要性
査定価格は、不動産を売り出す際の基準となる重要な要素です。この価格が適切であることで、売り出し価格や最終的な成約価格の設定がスムーズに行えます。査定方法には「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」の三つがあり、これらを用いて物件の適正価格が算出されます。これを元に自分の物件が市場でどのような立ち位置にあるかが分かり、次のステップへ進む手助けとなります。
信頼できる不動産会社による正確な査定は、物件の強みやアピールポイントを明確にするために不可欠です。この情報を活用することで購入希望者との交渉がより効果的に進行し、より良い条件を引き出すことが可能になります。査定結果が出た後は、それをもとに見込まれる売却価格やリフォームの必要性についても議論することができ、売却プロセスを効率的に進められます。
査定結果は売却スケジュールを明確にするだけでなく、リフォームが必要かどうかを知る手助けにもなります。訪問査定を受ける際には、専門家が物件を直接確認し、その状態を詳しく把握します。このような過程を通じて物件の改善点や販売戦略を策定する材料が得られ、効果的な売却活動につなげることができるのです。

つぎはいよいよ査定依頼の流れだね。
3.査定依頼の流れ
不動産売却の第一歩は、机上査定を依頼し物件の大まかな価値を把握することです。これはオンラインでのシミュレーションを基に、周辺地域の相場や過去の取引事例などを考慮して、推定売却価格を算出するプロセスです。実際の売却価格を設定するための重要な指針となるため、依頼をすることで不明点をクリアにし、次のステップに進むための基礎を築くことができます。
次に、机上査定を基に、必要に応じて訪問査定を依頼します。訪問査定では、不動産業者の担当者が実際に物件に足を運び、内部や外部の状態を詳細に確認します。この過程では、物件特有の特徴や立地条件、周囲の環境も評価のポイントとなり、より正確な査定額が得られます。私どもでも、現地を訪れた際には、道路付けの状態や上空や地下の越境物、境界の状態、擁壁の状態などを確認するように注意しています。普段生活しているだけでは一見見落としがちな項目ですが、物件の価値を決める非常に重要な構成要素です。特に相続が発生したことから売却に至る物件においては、昭和の中盤、つまりまだ諸々の法整備が現在ほどされていない状況で曖昧に設定された事項が多く、ここがAI査定などで出てきた価格と乖離する大きな要因となりがちです。
こうして出てきた最終的な査定結果をもとに、売り出し価格や売却戦略を練る段階に進みます。査定価格が適切かどうかを判断するためには、得られた情報をしっかりと理解し、自身の目標に合った価格設定を行うことが重要です。また、複数の不動産業者からの査定結果を比較することで、より信頼性の高い情報を得ることができ、結果として資産の最大化につながります。

机上査定→訪問査定の流れだね。
そうだね。そして机上査定や訪問査定をしたからといって、必ず売らなければならないというわけではないよ。


そうなの?
もちろんだよ。査定で出てきた金額を元に、どうすれば自分や家族にとって最も良い道となるかを考える。その材料にするんだよ。

査定の結果どうするか考える、その考え方として下記記事がお勧めです。
4.査定方法の種類
まずは机上査定。机上査定は迅速に結果が得られるので多忙な売主には魅力的な選択肢です。この方法は、過去の販売データや市場分析に基づいて査定が行われますが、具体的な物件の状態を考慮しないため正確性に欠けることがあります。特に、マンション以外の物件。土地や戸建てなどは、個別の物件の特性が大きく異なります。同じ町内にあっても道路付けが異なり、インフラの整備状況が異なり…というようなことは往々にしてあり得ます。また直近の取引データが乏しい場合。この場合は機械は参考にするものがなく、実勢価格と大きく乖離した数字を出してくることがあります。したがって、機械的なデータ処理だけでは限界があることを理解しておくことが大切です。
訪問査定は、物件を実際に確認しながら査定を行うため、より精度の高い査定額を得ることが可能です。不動産会社の担当者が現地に足を運んで、建物の状態や周辺環境、さらには市場の動向を加味した上で査定をします。このため、査定の結果は机上査定よりも信頼性が高くなる傾向がありますが、訪問日時の調整や現地準備が必要になるため、余裕を持った計画が求められます。
近年ではAIを活用した査定も注目されています。AI査定は、膨大なデータをもとに独自のアルゴリズムで査定額を算出しますが、やはり実際の物件の状態や地域の特性には限界があります。弊社でもAIを使った査定を行いますが、実勢価格との乖離に驚くことがよくあります。そのため、AI査定の結果を参考として活用しつつ、最終的には訪問査定に基づく実査定を行うことが、より適切な売却価格を設定する為の鍵となります。

査定については大体わかったけど、何か準備しておくと良いものってあるのかな
じゃあ、次の項目で見ていこう

5.査定前の準備
不動産査定をスムーズに進めるためには、必要な書類を事前に整えておくことが不可欠です。具体的には、家の売買契約書や重要事項説明書、建物の図面、設備の仕様書、そして公課証明書などが求められます。これらの書類を揃えることで、査定時の手続きが円滑になり、スムーズな売却活動が可能となります。取引の正確なデータを提示することで、不動産会社はより適切な査定を行いやすくなります。
不動産売却に関わる税金については、国税庁の公式サイトもご覧ください。
査定を依頼する際には目的や優先事項を明確にし、望むべき価格帯や条件を整理しておくことが大切です。これにより、不動産会社との意思疎通が円滑になり希望に沿った査定結果を得やすくなります。例えば、物件の特性や周辺環境を考慮し、競争力のある価格設定を目指すことが一つの戦略となります。この事前準備が結果として満足のいく売却につながるのです。
さらに不動産会社に対しては、住宅ローンの残債情報も準備しておくことが求められます。この情報を事前に通達することにより、査定額がより現実的なものになり物件の売却計画も立てやすくなるでしょう。特に、ローンを残した状態での売却を考えている場合、正確な残債額を把握することが売却価格設定の重要な要素となります。

住宅ローンの残債は、銀行で「残高証明書」をもらってくれば良いのかな
そうだね。またインターネットのマイページから見られる銀行も増えてきたね


公課証明書は市役所で取ってくれば良いんだね
そうだね、いずれにしても必要になるから先に取っておくと便利だね

6.査定依頼時の注意点

不動産の査定を行う際には、必ず複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。1社だけに依頼した場合、他の査定額と比較できず、その価格が本当に適正であるか判断できなくなります。市場には、魅力的な査定額を示して勧誘する会社も存在するため、少なくとも3社以上から査定を受けることで、より公平かつ正確な情報を手に入れられるでしょう。
そしてこれはかなり重要なのですが、訪問査定を利用する場合は、事前に室内の清掃や周辺情報の整理を行っておくと良いでしょう。査定担当者は、内装や設備の状態はもちろん、周囲の環境や日当たりなども評価ポイントとしてチェックします。私どもの経験では、庭に残置物が山のように積まれたその下に、越境物が存在していたり、実は隠れて電柱と電線が存在していたり、設備のメーターが隠れていたりして正確な査定がお出しできなかったことがあります。できれば事前に準備をしておくことで、査定担当者に自宅の魅力をしっかり伝えることができ、より良い査定結果を得る手助けになります。
場合によっては不動産鑑定士の利用が必要な場合や、相場確認のために追加のリサーチを行うことも考慮に入れるべきです。特に、相続や財産分与など、特殊な事情がある場合は、専門的な知識と法律的な手続きを必要とすることが多いため、不動産鑑定士に依頼することが適切です。これにより、正確な市場価格を把握し、適切な売却戦略を立てることが可能になります。また売却に当たっては解体や残置物の撤去が必要になることがあるかもしれません。私どもも含めて宅建業者はよりよい引っ越し業者や残置物撤去業者についての情報を常にリサーチしていますので、土地と建物の査定のみならず、解体や残置物撤去業者の紹介を受けてそちらの見積もり査定も一緒に行っておくと、より正確な金額の把握に役立つことでしょう。

ぼくたちは、まいにちおうちをきれいに掃除しているから大丈夫かな
えらいね。不動産を大切に使う人は、その分不動産からも大切にされる。これは僕が長年の経験から学んだことさ

7.まとめ
ここまでで不動産売却の査定の流れと注意点をお伝えしてきました。売却を成功させるためにはまずは査定依頼が不可欠です。査定を行うことで物件の市場価値を知り、適正な売却価格を設定することが可能になります。また、机上査定・訪問査定・AI査定の特性を理解し、自分に適した方法を選択することが重要でした。そして物件の査定のみならず、解体や残置物撤去の査定も併せて取っておくと便利であることをお伝えしました。
私ども楽府株式会社でも、宅地建物取引士が不動産査定のご相談を無料で承っています。ご相談はLINEからでも可能です。不動産売却の第一歩として、まずは気軽にご相談ください!

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