不動産

八王子市に遊休不動産(空き家)をお持ちのオーナー様へ:データで見る現状と賢い利活用のすすめ

目次

なぜ今、八王子市の空き家問題が重要なのか

 豊かな自然と都市機能が調和し、大学が多く「学生の街」としても知られる八王子市。京王線やJR線で都心へのアクセスも良好なこの街は、多くの方にとって住みよい場所です。

 一方で、全国的な課題である「空き家問題」は、ここ八王子市でも例外ではありません。核家族化、高齢化、そして相続に伴う実家じまいなど、様々な要因で適切に管理されない「遊休不動産」、つまり空き家が増加しています。

「まだ使うかもしれない」「どうしたらいいかわからない」…そう考えて、ついそのままにしていませんか? 実は、その空き家、放置することで様々なリスクや負担が増え、「負動産」となってしまう可能性があるのです。

 このブログ記事では、八王子市が公表した最新の調査データ(『令和5年度 八王子市 住まいに関するデータを活用した空き家調査及び利活用促進業務 報告書』『令和5年版 統計八王子』)に基づき、八王子市の空き家事情を明らかにし、オーナー様が直面しうる問題点、そして賢く「利活用」するための選択肢と市の支援制度をご紹介します。ご案内いたしますのは、八王子市住まカツ相談員、八王子市住宅相談会相談員を務めます楽府株式会社の宅地建物取引士です。「八王子 空き家」や「八王子 相続不動産」についてお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

データで見る八王子の空き家事情(2023年最新)

八王子市では、市の実情に即した空き家対策を進めるため、独自の調査を行っています。最新の報告書からは、以下の現状が明らかになりました。

📊 八王子市の空き家データ(令和5年度調査より)

  • 空き家率:2.8%
  • 戸建て空き家率:3.81%

総務省が発表した2018年の全国平均空き家率10.4%と比較すると、八王子市独自の調査による空き家率は低く見えますが、これは調査方法や定義の違いによるものです。それでも、市内に25万戸以上(『令和5年版 統計八王子』より)ある住宅のうち、一定数の空き家が存在し、特に戸建ての空き家が少なくないことがわかります。

  • 空き家オーナーの年齢構成:65歳以上が約6割

空き家の所有者は高齢の方が多く、ご自身で管理することが難しくなっているケースが考えられます。

  • 未耐震の割合:6割以上

これらの空き家の多くは旧耐震基準で建てられており、現在の耐震基準を満たしていません。大地震が発生した場合、倒壊や損傷のリスクが高い状態です。

さらに、報告書に付随するアンケート調査からは、空き家を所有するオーナー様の声も聞こえてきます。

🗣️ オーナー様の声(アンケート結果より一部抜粋)

「将来のことを考える必要性は感じているが、実行するのはまだ早いと思う」

「何をすればいいかわからない」

「親族と話し合う機会が確保できない」

「売却したいが、どの不動産業者を信用していいか判断できない」

「耐震工事をやるべきか迷っている」

これらの声から、多くのオーナー様が空き家の将来について漠然とした不安や課題を感じつつも、具体的な行動に移せていない現状がうかがえます。特に、「空き家 活用 2025」など、今後の対策を検討する上で、これらの不安を解消し、適切な情報にアクセスできるかが重要となります。また、「売却したいが、どの不動産業者を信用していいいか判断できない」という声は私どもとして大いに反省すべきところがあるのではないかと思います。ちなみに、八王子市には「住まカツ」や「住宅相談会」という行政主導のプロジェクトが準備されていますので、信頼できる不動産業者をお探しの際にはそちらをご利用になられることをお勧めいたします弊社でも相談員を務めておりますのでもしかするとそこでお会いするかもしれません。

なぜ空き家を放置すると損をするのか?

さて、「とりあえずそのままにしておこう」という選択は、残念ながら多くのデメリットを伴います。遊休不動産を放置することで発生する主なリスクと負担を見ていきましょう。

固定資産税・都市計画税の負担増

 住宅用地には固定資産税等の軽減措置がありますが、「特定空き家」に指定されると、この軽減措置が解除され、税金が最大で6倍になる(正しくは6分の1の減免の特例措置がなくなることによる税額正常化)可能性があります。

管理不全によるリスク増大

 建物の老朽化が進み、倒壊や部材の飛散、不審者の侵入、害虫・害獣の発生、景観の悪化など、近隣に迷惑をかけたり、トラブルに発展したりするリスクが高まります。管理不全により損害賠償責任を問われる可能性もゼロではありません。これは本当にわりとよくあります。そして将来にデメリットとなることがあります。(例→測量の際に協力が得られない、境界で揉めるなどなど。本当によくあります…)

資産価値の低下と売却困難

 時間の経過とともに建物は劣化し、資産価値は目減りします。傷みが激しい物件は買い手が見つかりにくく、「空き家 売却 八王子」を検討しても、希望する価格での売却が難しくなります。

解体費用の負担

 最終的に建物を解体する場合、木造家屋でも100万円~300万円、構造によってはそれ以上の費用がかかることが一般的です。古い建物ほど解体費用は高くなる傾向があります。

このように、空き家を放置することは、経済的な負担だけでなく、精神的な負担や法的リスクも増大させることにつながります。

八王子市の空き家対策と支援制度

 八王子市では、このような空き家問題に対応するため、様々な対策や支援制度を用意しています。これらの制度を賢く活用することで、空き家を「負動産」から「活かせる資産」に変える手助けとなります。

空き家バンク・マッチング支援事業

市が運営する空き家バンクに物件情報を登録し、利用希望者とのマッチングを支援する制度です。売却だけでなく、賃貸や「空き家 活用 2025」に向けたアイデア段階での相談も可能です。

解体費用の一部助成

 一定の要件を満たす空き家について、「解体 補助金 八王子」として解体費用の一部を助成する制度があります。老朽化が進み、再生利用が難しい建物を解体する際に活用できます。この「一定の要件」がそこそこ厳しいのですが、うまく活用できれば大きな力になります。

耐震改修等助成

 昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた住宅の耐震診断や耐震改修に要する費用の一部を助成する制度です。未耐震の空き家を利活用する際に検討できます。

「住まいの活用ノート」の配布

 空き家の管理や利活用、相続などに関する情報をまとめた啓発資料です。まずはこちらで基本的な知識を得ることができます。

これらの情報は、市のホームページや窓口で確認できます(こちらからダウンロードもできます)。ご自身の空き家に活用できる制度がないか、ぜひ調べてみましょう。

空き家オーナーが今すぐ取るべき5つの戦略

 八王子市の遊休不動産オーナー様が、後悔しないために今すぐできることは何でしょうか。状況に応じた様々な選択肢がありますが、まずは以下の5つの戦略を検討してみましょう。

1. まずは現状を把握する(簡易査定・専門家との共有)

 ご自身の空き家が、今の状態でどのくらいの価値があるのか、どのような活用方法が考えられるのか、まずは地域の不動産会社などの専門家に相談し、簡易的な査定やアドバイスを受けてみましょう。「遊休不動産 オーナー」として、現状を知ることが全てのスタートです。

2. 最低限の管理を行う

すぐに利活用や売却が難しくても、定期的な換気、通水、清掃、庭の手入れなど、最低限の管理は続けましょう。これにより建物の劣化を遅らせ、近隣トラブルを防ぐことができます。

3. 利活用の選択肢を検討する

売却、賃貸、リフォームして再活用、解体して更地にする、駐車場として活用するなど、空き家には様々な利活用の方法があります。ご自身の希望や物件の状態、地域のニーズに合わせて最適な方法を検討しましょう。「不動産 利活用 支援制度」についても情報収集を始めましょう。

4. 利用できる補助金や支援制度を調べる・活用する

八王子市の空き家対策や助成制度の中に、ご自身の空き家に活用できるものがないか確認しましょう。専門家に相談する際に、利用可能な制度についても尋ねてみましょう。

5. 信頼できる専門家を見つけて相談する

空き家や相続不動産の問題は複雑で専門的な知識が必要です。地域に密着した、空き家問題に詳しい不動産会社や司法書士、税理士などの専門家を見つけて相談することが、問題解決への一番の近道です。複数の専門家の話を聞いてみるのも良いでしょう。

想定される空き家活用事例

駅から少し離れた住宅街にある築年数の経過した戸建てでも、リフォームしてファミリー向けの賃貸物件として再生したり、庭の一部を整備して家庭菜園付きの賃貸として差別化を図ったりすることが可能です。また、需要があるエリアであれば、解体して小規模なアパートを建築する、といった選択肢も考えられます。

物件の立地や状態、周辺環境によって最適な活用方法は異なります。専門家と一緒に可能性を探ってみましょう。これについては下記ブログが参考になります。

まとめ:空き家を「負動産」にしないために

八王子市における空き家問題は、決して他人事ではありません。適切に管理・利活用されない空き家は、オーナー様にとって経済的・精神的な負担となるだけでなく、地域の景観や防災上も課題となります。

しかし、八王子市では様々な支援制度を用意し、オーナー様の「不動産 利活用 支援制度」の活用を後押ししています。大切な資産を「負動産」にしないためにも、まずは空き家の現状を知り、将来について真剣に考え、そして一日も早く信頼できる専門家に相談することをおすすめします。

「八王子 空き家」や「八王子 相続不動産」に関するお悩みは、ぜひ地域の専門家にご相談ください。

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manabito

楽府株式会社 代表取締役/ 宅地建物取引士 / 不動産と文化の融合を目指す不動産会社「楽府株式会社」代表取締役。 宅建士。その他合格・取得資格は行政書士(未登録)/応用情報技術者/第二種電気工事士など。 不動産売却や相続不動産の相談を専門。特に、八王子市・日野市・府中市など多摩地域の不動産売却に精通し、売却成功事例や査定のポイントを分かりやすく解説することが得意。 相続セミナー講師(日野市後援、国分寺市後援、多摩市後援、厚木市後援の相続セミナー実績あり) ブログを通じて、不動産の悩みを抱える皆様に「賢い売却の選択肢」を提供できるよう努めています。

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