
東町(あずまちょう)ってご存じ?
東町と聞いて「どこ?」と思われる方もいるかもしれません。でも実は、私たち八王子市民が知らず知らずのうちに足を踏み入れている場所なんです。JR八王子駅北口を出て、すぐ目の前に広がるエリア──それが東町。面積はなんと0.042km²。これ、東京ドーム約1個分という驚異の狭さです!
でも、この狭さこそが東町の武器。まさに「濃縮果汁」のように、商業ポテンシャルがぎゅっと凝縮された八王子屈指の"超濃縮エリア"なんです。今日は八王子市東町の不動産市場について、八王子市に本拠を置く不動産会社「楽府株式会社」の宅地建物取引士が分析します。なお、隣接する他の地域については下記記事も参考になります。
用途地域から見る東町の正体:100%商業地域という特殊性

それではいつものように、不動産活用を考える上で重要な用途地域を確認しましょう。中心点は市道152号と桑並木通りの交差点(ローソンやアドコンタクトの角です)に置いています。ご覧いただいて分かるように東町の特徴は、全域が商業地域に指定されていることです。
東町の都市計画概要
- 用途地域:商業地域のみ
- 建ぺい率:80%
- 容積率:600%
この数字がただの数字でないことに気づいた方は、だいぶ不動産にお詳しいです。それだけこの数字から見えてくる東町の特徴は実に興味深いものです。
1. 純粋な商業地としての性格
東町には住宅系用途地域が一切ありません。これは都市計画上「住む街」ではなく「使う街」として明確に位置づけられていることを意味します。もちろん法律上は住居の建築も可能ですが、24時間営業店舗や繁華街特有の騒音など、生活環境としてはあまりオススメはできない設定となっています。界隈ではいくつかマンションも新築されていますが、子安町に隣接する南口のマンション群と、東町のように三崎町が隣接する北口では、同じ「八王子駅徒歩2分」でもその環境は大きく異なります。
2. 超高容積率600%がもたらす可能性
また容積率600%という数値は強みです。これは建ぺい率80%と合わせて考えると、敷地を最大限に活用した高層建築が可能であることを示しています。小規模な土地でも高さ方向にフル活用することで、駅前タワー型の商業ビルや複合施設が成立しやすい環境が整っているのです。つまり、限られた面積でも収益性を最大化できるポテンシャルを秘めています。
3. 昼夜を問わない人流の厚み
東町はJR八王子駅と京王八王子駅の利用者と、八王子駅以北の広大なエリアとの重要な動線上に位置しています。昼間はオフィスワーカーの通行や食事需要、夜は繁華街利用者による消費活動と、時間帯を問わず安定した人流が見込めるエリアです。
ということで、この都市計画上の特性を理解して不動産活用を考えなければ「宝の持ち腐れ」になってしまいます。つまり東町の真価は、商業地としての純度の高さにあるのです。
商圏データが語る東町のポテンシャル

JSTAT商圏データ(桑並木通り×南小路交差点中心、半径0.5km)から浮かび上がる東町の人口特性を詳しく見ていきましょう。
基本的な人口・世帯概要
東町を含む一次商圏の人口は11,146人、世帯数は6,708世帯となっています。注目すべきは平均世帯人員が1.66人という点です。これは東京都平均の1.99人を大きく下回り、いかに単身者が多いエリアかを物語っています。実際、単身世帯は4,176世帯と全体の62%超を占めており、まさに「単身者の街」としての性格が鮮明に表れています。
年齢構成に見る二極化現象
年齢別人口構成を見ると、東町の特殊性がより明確になります。
- 年少人口(0〜14歳):894人(8.0%)→ 東京都平均を大きく下回る
- 生産年齢人口(15〜64歳):7,277人(65.3%)→ 働き盛り世代が中心
- 高齢者人口(65歳以上):2,141人(19.2%)→ 一定の高齢化も進行
この構成から読み取れるのは、子育て世帯の極端な少なさです。ファミリー層ではなく「単身の若者」と「高齢単身者」が主要な住民層となっているのです。
世帯構成が物語る住民の選好
世帯構成をさらに詳しく見ると:
- 1人世帯:4,176世帯(62.2%)→ 圧倒的多数
- 2人世帯:1,222世帯(18.2%)→ 夫婦のみ世帯が中心
- 3人以上世帯:20%未満 → ファミリー世帯は少数派
- 高齢単身世帯:1,455世帯(全体の21%)→ 高齢単身者も相当数存在
この数字が示しているのは、住民の多くが「生活利便性よりも駅近・商業アクセスを重視」している実態です。静かな住宅環境よりも、通勤通学の便利さや買い物・外食の手軽さを求める住民が集まっているエリアなのです。
商業戦略への示唆
この人口構成は、不動産活用において重要な示唆を与えてくれます。1次商圏をターゲットとする不動産活用を考えるのであれば、ファミリー向けサービスよりも、単身者のライフスタイルに寄り添ったビジネスモデルが求められる。一方で上述のように純度100%の商業地域として考えるのであれば市全域がターゲットとなりうる。かなり不動産の活用方法の選択肢が広がります。
どちらが有利かは個々の不動産の性質による(例→狭い土地×狭い前面道路=1次商圏ターゲット)ところですが、少なくとも検討の段階ではなるべく間口を広く置きたい。従ってより商圏を拡大した分析をおこなった上で、どのように不動産を活用するか、どのような業態を出店するか(してもらうか)を考えていく必要がありそうです。なお、若年層と高齢層という二つのターゲットを意識した、柔軟なサービス展開が可能なエリアでもあるということも忘れないように検討する必要があります。
街の性格:八王子の「顔」としての東町
実際に東町を歩いてみると、その性格がよく分かります。表(通り)と裏(通り)の顔があります。
駅前商業地区としての顔
- 全国チェーンの飲食店が軒を連ねる
- 書店、薬局、コンビニなどの生活利便施設
- 学習塾や英会話教室などの教育サービス
繁華街・歓楽街としての顔
- 居酒屋、スナック、カラオケボックス
- 夜遅くまで営業する飲食店
- 仕事帰りの会社員でにぎわう夜の街
この多面性こそが東町の強み。朝は通勤客のコーヒー、昼は会社員のランチ、夜は歓楽街として──1日を通じて安定した集客が見込めるエリアです。
最有効使用の提案:東町で勝てる不動産活用術
では、この東町でどんな不動産活用が最も効果的なのでしょうか?
- 飲食・物販・エンタメ施設
- 若年層向けカフェ、ファストフード
- 会社員向け居酒屋、焼肉店
- 書店、雑貨店などの物販
- 小規模オフィス・SOHO拠点
- 駅徒歩2分の立地を活かしたレンタルオフィス
- フリーランス向けコワーキングスペース
- 士業・コンサル事務所
- サービス業特化型店舗
- 美容室、ネイルサロン
- 学習塾、語学スクール
- クリニック(内科、歯科)
特に注目したいのは、昼夜の人口動態を活かした「時間帯別営業」の可能性。昼はカフェ、夜はバーといった業態変化型の店舗運営も面白いかもしれません。
まとめ:「狭さ」こそが「濃さ」──東町の真の価値

面積わずか0.042km²の東町。一見すると制約に見える狭さこそが、実は最大の武器です。
狭いからこそ:
- 歩いて回れる範囲にすべてが集約
- 高い人口密度による安定集客
- 駅直結という最高の立地条件
- 商業ポテンシャルの「超濃縮」状態
住宅系不動産投資には不向きですが、商業系であればその濃縮されたポテンシャルを存分に活かせるエリアです。八王子駅という交通結節点の恩恵を最大限に受けながら、多様な客層にアプローチできる──これが東町の真の価値なのです。
不動産活用をお考えの際は、ぜひこの「超濃縮エリア」の特性を踏まえた戦略的アプローチを検討してみてください。小さくても、その分だけ濃い──それが八王子市東町なのです。
楽府株式会社でも八王子市東町の物件のリーシングと管理を承ります。どうぞお気軽にお問い合わせください。
